長福寺(いすみ市)

長福寺(いすみ市)

長福寺はいすみ市にある天台宗の寺院で、807年(大同2年)伝教大師最澄により建立。江戸期には多数の末寺を持ち、いすみ地方の中本寺としての地位を保っていた。初代「波の伊八」の欄間彫刻や、源頼朝が筆を掛けたとする「筆掛の槙」など見所の多い古刹です。

基本情報

長福寺
(いすみ市)
上総国薬師如来霊場
第二十三番
住所いすみ市下布施757
電話0470-66-1736
拝観料金300円
拝観時間開堂〜16:00
宗派/山号・寺号天台宗/硯山無量寿院
(けんざんむりょうじゅいん)
本尊・寺宝阿弥陀如来
創建807年(大同2年)最澄
御朱印あり
駐車場あり(無料)
トイレなし
アクセスJR外房線大原駅タクシー10分

石橋山の戦いの後房総に逃れた源頼朝が平家追討の書状を長福寺でしたため、その時差し出した硯が素晴らしかったので「硯山」の山号を頂戴した。

いすみ市の県道174号線から少し入ったところにあります。

車でお越しの際は仁王門の右側の駐車スペースにとめます。

仁王門

寺号碑

仁王像

足の痛みを取る仁王様といわれ、自分の痛い所をさすると痛みがやわらぐと言われています。

「筆掛の槙」

凄い迫力。

千葉県指定天然記念物です。

千葉県指定天然記念物
 長福寺の槙 一樹
  平成十年十二月二十四日指定
  千葉県いすみ市下布施七五七
  長福寺

このマキは、イヌマキと言う種類に分類され、関東南部以西、東海道、近畿南部、四国、九州、沖縄まで広く分布しています。
 イヌマキは暖かい地方の山林に自生する常緑の高木です。マキは雌雄別株で、長福寺のマキは雌株、五月に開花し、十月に暗赤色の甘い実が熟します。
 このマキには、源頼朝にまつわる伝説があります。それによれば、頼朝がここを訪れた時に、このマキに筆を掛けたとされ「筆掛の槙」とも呼ばれています。
 伝説の古木ではありますが、今なお樹勢は衰えず、樹高十二メートル、目通幹囲四・八メートルという巨姿から、いつの頃からか、里人によってこのよううな古い時代からの木とみられるようになったものでしょう。

 平成八年八月三十日
いすみ市教育委員会

<境内立て看板より>

本堂

上総国薬師如来霊場 第二十三番 硯山 長福寺

長福寺と書かれた扁額

本堂は落ち着いた雰囲気です。

伝教大師最澄によって建立されました。

欄間彫刻が有名。

いすみ市指定有形文化財
 硯山長福寺本堂欄間
  平成十年五月十五日指定
  所在 いすみ市下布施七五七
  所有・伝承  長福寺

 本堂にある欄間は、初代の武志伊八郎(一七五一〜一八二四)が寛政元年に彫った波の浮き彫りである。
 この欄間は、中央 縦七十四センチ 横二百六十六センチ 左右縦八十六センチ 横百七十一センチで、左右二面に麒麟、中央に龍のすかし彫り、いずれも堅牢で、色彩も明瞭である。
 欄間という定形の空間にとらわれず、自由自在に装飾彫刻を施していった特徴のある作で、初代伊八の作品変化を示す好例として貴重な作品である。中央裏面に作者銘及び製作年が墨書してある。

 銘  安房国長狭郡下打墨村住人
    武志氏伊八郎信由作
    弟子高梨氏伊曽八信房
    寛政元 酉🟥冬 (🟥は判読不明)

 平成十六年十二月二十四日
いすみ市教育委員会

<境内立て看板より>

中央の「波に龍」のすかし彫り

左は「雲に麒麟

右も「雲に麒麟

御本尊「阿弥陀如来」

阿弥陀如来座像は室町時代の作で、元は金色に輝いていました。光背は江戸時代の物で後で取り付けられた。脇侍は観音菩薩、勢至菩薩です。

御本尊の右となりの部屋ににある仏像達

左が「薬師如来坐像」で県指定有形文化財。

千葉県指定有形文化財
 木造薬師如来坐像 一躯
  昭和四十七年九月二十九日指定

 総高は一〇一センチ、ヒノキ材の一木割矧造(わりはぎつ”くり)で、漆箔(しっぱく)が施されている。体部は内刳を施して背板を当て、両肩、膝部等をはぎ付けている。
 螺髪(らほつ)は切子型で、白毫(びゃくごう)欠失し、肉髻珠(にくけいしゅ)は木製である。彫眼で耳たぶは環耳である。納衣をつけ左手は膝で掌を上に向け、右手は五指を伸ばして掌を正面に向けて立て左足を外にして坐る。
 この像は、高く盛り上がった肉髻、多少つり上がっている目、力強い体部の表現などから、平安時代中期の作風が見られるが、衲衣の形式や彫りの浅さ、脚部の比較的薄い肉どりなどから、平安時代後期から鎌倉時代初期の作と考えられている。
 膝裏に建長二年(一二五〇)、胎内に寛永十五年(一六三八)の修理銘がある。
平成二十三年三月二十五日
千葉県教育委員会
いすみ市教育委員会

<境内立て看板より>

長福寺では写経をすすめています。

法帖

書道の勉強・お手本として蔵書してあった法帖をいただくことができます。

書家 今関脩竹先生(1909~1989)の2曲屏風

杉の板戸絵

鐘楼

無量壽庵

寺宝 端渓硯「銘 無量壽」を安置する為に、2007年、開山1200年を記念して建立されたお堂です。

牛魂碑

見所の多い長福寺でした。

特に、初代「波の伊八」の若い頃の作品は一見の価値あり。

近くに、小浜八幡神社岩船地蔵尊などもあります。

そちらもどうぞ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました