下立松原神社(白浜)

下立松原神社(白浜町)

下立松原神社(白浜)は南房総市白浜町にあります。同じ名前の神社がとなりの千倉町にもあり、どちらの神社も天日鷲命が主祭神です。どちらが「安房国朝夷郡」の式内社か長い間論争になっていましたが、決めてがなくそのままになっています。ここでは白浜町の下立松原神社についてご紹介します。

阿波の忌部の祖神天日鷲命の孫由布津主命が、天冨命と共に安房地方の開拓に上陸し、由布津主命が天日鷲命を祀ったのが当社です。

基本情報

下立松原神社
(白浜町)
式内社
通称「小鷹明神」・「瀧口明神」
住所南房総市白浜町滝口1728
電話0470−46−2963
(南房総市教育委員会)
拝観料金無料
拝観時間自由
祭神天日鷲命・天太玉命・天冨命
伊奘諾命・伊弉冊命
創建神武天皇元年
御朱印あり(書置・500円)
祭礼例祭 8月1日
国司祭に出祭 敬老の日の直前の土日
駐車場あり(無料)
アクセスJR内房線館山駅からバス安房白浜行き
「下立松原神社前」下車徒歩5分

房総フラワーラインの長尾橋脇交差点を北上すること1kmの所を左にまがる。

宮下橋

親柱に紀元2592年と彫られたみや志た橋は昭和7年に架けられた。

社号標と由緒書

 当社は天日鷲命を祀る式内社で、昔、朝廷の命により、天富命が天日鷲命の孫・由布津主命、その他の神々と当地方開拓に上陸し、後由布津主命が祖神の天日鷲命を祀った社である。上陸当時、野山に鹿が多く、住民がその被害に苦しんでいたのを神々が狩を行い害を除き、住民を安堵させた神徳を慕い、今も神狩(ミカリ)の神事として旧暦十一月廿六日より十日間、神狩祭(ミカリマツリ)が行われている。なを大鹿の角が社宝として現存している。古式武将の尊崇も厚く源頼朝公、里見義実公など太刀を奉納して武運長久を祈願している。
 又、安房の式内社であった天神社が昭和初期当社に合祀されている。

<立看板より>

宮下橋を渡ると正面に階段が見える。階段はもう一つある。

駐車場

滝口の井戸

井戸の右側にあるもう一つの階段

階段を上ると右側には社号標

社号標の正面には、「延喜勅扉 下立松原神社小鷹大明神御鎮座」、側面には「天下泰平五穀成就御祈祷神事也不可入汚穢不浄之輩」とある。

一の鳥居

鳥居奉納者記念碑

市指定文化財の案内板

  • 木造 毘沙門天立像
  • 銅造 毘沙門天立像
  • 木造 天部形坐像
  • 銅造 男神坐像
  • 銅造 兜跋毘沙門天立像

二の鳥居

二の鳥居手前の石灯篭 嘉永2年(1849)の建立

木々に囲まれた参道は気持ち良く進める。

社務所

南房総市の昔話【白浜の頼朝伝説】

平家を倒して源氏の世にしようとした源頼朝は、伊豆の石橋山の戦いに敗れて、安房の平北郡猟島(鋸南町勝山)に逃げてきました。治承四年(1180)八月二十九日の事でした。
 その後、再起を願う頼朝は、味方を得るために安房の国中を精力的に巡回下のですが、白浜にも立ち寄りました。空がよく晴れていた九月六日だったといいます。
 先ず長尾の滝口大明神(下立松原神社)に参詣し、「宗近」の太刀を奉納して戦勝を祈願すると、海岸つ”たいに野島に着きました。
 野島には、弁天堂(厳島神社)が祀られていますので、傍にあった岩に、「野島山」の三文字を鏃で刻み奉納しました。
 白浜の野島は、
 「あま小舟見みえつ隠れつ朝明けの 野嶋が崎の霧のむらむら」
と歌に詠まれて、『廻国雑記』に記載されているほどの、東国随一の景勝地ですので、頼朝は暫く美しい景色を眺めながら従者の労をねぎらい、酒宴を開いたと言われています。
 そこの場所には、「盃の池」「銚子の池」などの地名が残り、また、頼朝が、休憩のため幹に腰を掛けた、「頼朝の腰掛け松」があったという話も残っています。

<南房総市教育委員会>
<立看板より>

石灯篭 享保8年(1723)の建立

参道の先に狛犬と拝殿が見えてきた。

一の鳥居からは、かなり歩いて来た。

手水舎 1868年の奉納

狛犬 明治3年(1870)の建立

二対目の狛犬ですが大きくて立派、迫力がある。

拝殿

拝殿の階段を上がると御朱印が置かれている。

初穂料500円は賽銭箱に入れる。

書置の御朱印

木鼻

本殿

天神社(あまつかみのやしろ)

天神社御由緒

当天神社は高御産巣日神(たかむすびのかみ)・神産巣日神(かみむすびのかみ)を祀り下立松原神社と同様延喜式内社でもとは白浜城址の北方片倉に鎮座で後に本郷谷部落に移り三月廿五日の大祭には村芝居も行われていたが経営の都合上昭和三年に下立松原神社に合祀となり社殿も此の所に移し下立松原神社の神輿殿となったが後別に神輿殿を改築しもとの如く天神社を祀ったものである。
 平成十五年三月二十三日
下立松原神社宮司 高山義丸
<由緒書より>

壁画殿

壁画殿は紀元2600年(昭和15年)記念事業として建てられた。中には寺崎武男画伯の作品が10作展示されている。

壁画は忌部氏の一族賞賛する内容です。

神輿殿

下立松原神社のお神輿

大きくて立派なお神輿!

国司祭へ出祭

参道を戻る途中左側に招魂社

后神社

由布津主命の后で、天富命の娘の飯長姫命(いいながひめのみこと)を祀った社。

神社はとても広く趣のある古社です。

ぜひ足を運んでみてください。

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